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ペアローンについて

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2024/10/15

 首都圏の新築マンションの価格高騰で、ペアローンを使うカップルが増えています。
 ペアローンとは、ひとつの物件に対して夫婦がそれぞれローンを組む方法です。夫ひとりの収入では購入が難しかった物件も、妻の収入も加えたペアローンにすることで購入可能になるし、夫婦それぞれで住宅ローン控除も受けられるので節税にもなります。
 リクルートの2023年の調べによると、首都圏で新築マンション購入の際にペアローンを活用する夫婦は34%で、総年収1000万円以上のパワーカップルに焦点を当てると、活用率は77%にも上ります。このような現状を聞くと「自分たちもペアローンで」と思うかもしれませんが、ちょっと待ってください。厚生労働省の離婚に関する統計(2022年度)によれば、結婚に対する離婚の割合は32%で、おそよ3組に1組が離婚しているのです。
 ペアローンを組んだ後に離婚をしたらどうなるでしょう。何もしなければお互いに返済が継続するので、何らかの行動を起こす必要があります。このローンは夫婦お互いに相手の連帯保証人となる契約を結んでいるので、まずは連帯保証人を外してローンをどちらかに一本化する事が考えられます。しかし一本化の場合、ローン残高が高くなりすぎて金融機関が難色を示すかもしれません。そうなると次に考えられるのは売却です。ここで問題なのは、不動産は夫婦の共同名義となっているので、どちらか一方が適当に売却価格を決めて勝手に売ることはできないのです。そして、売却予定額が低くてローンが完済できない場合は抵当権を外すことができず、この場合も売却できません。あとは自宅を賃貸に出すとか、リースバック契約で業者に買い取ってもらい、家賃を払ってそこに住み続けるなど色々と方法は考えられますが、いずれにしてもペアアローンを組んでいる夫婦の離婚には、大変な作業が待っているという事を頭に入れておいた方がよいでしょう。